お清め風水~日本の行事に隠されたお清めの心~

日本には四季があり、その季節折々の行事があります。お正月には家族と食卓を囲んでおせち料理やお雑煮を食べたり、桃の節句にはお雛様を飾ったり、日本人は行事をとても大切にします。実は、私たちが単なる行事や風習だと思っていたものにお清めの心が隠されていることがあります。それらには開運や厄落とし効果がありますので、いくつか紹介します。

 春の行事(立春~立夏) 

 お花見

桜が咲く季節には、街のあちこちで「お花見の季節だね」という人の声が聞こえてきますね。お花見は、日本人特有のレジャーです。咲き誇る桜の花をながめながら、気の置けない友人や家族とお弁当やお酒の味を楽しむ時間は、とても楽しいものですよね。

桜は日本人が1番馴染みのある花といっても過言ではなく、日本人の心の証だという人もいるほどです。桜がこれほどまでに日本人に好かれるようになった経緯は、古代まで遡ります。

「さくら」名前の由来

古来、日本は森羅万象のすべてに八百万(やおよろず)の神が宿ると考えていました。そのたくさんの神々の中でもとくに尊ばれていたのが、山の神様である「サ神」です。

ふだんは山に住んでいるサ神が、五穀豊穣を叶えるために田へ降りて来る途中に宿ったとされたのが、ピンク色の花を咲かせる木でした。人々はこの木を神聖なものとして扱うようになります。そして、「神様が鎮まる座」という意味の「クラ」という言葉と、サ神の名前が合わさって、この木は「サクラ」と呼ばれるようになりました。

こうした流れから、桜の木の下で宴会をしながら豊作を祈る、今日のお花見の起源が生まれたのです。お花見に呪術的な意味合いがあったとは、少し驚きですね。そして奈良時代から平安時代にかけて、貴族が桜を鑑賞しながら和歌を読む習慣が生まれるなど、お花見はしだいに形を変え、現在にいたります。

風水的効果

お花見は風水では人間関係を一気に高めることができるイベントとされています。桜の花の色であるピンクは対人関係運に効くカラーですし、自然を楽しみ、季節や旬をみんなで感じ、さらに同じ料理を囲んで食べることも、人間関係をよくします

 ひな祭り

3月3日の桃の節句におひな様を飾るひな祭りの習慣は江戸時代にはじまりましたが、当初は厄落としの意味があったのはご存知ですか?紙で作った人形で人の体をなでて穢れを移し、それを厄ごと川に流していたのです。だんだんと人形が華やかになるにつれ、川に流すのが忍びなくなり、現在のように鑑賞するスタイルが定着しました。

ひな壇の風水的効果

実はひな壇には風水的な意味もあります。中下段におかれる、ピンクの桃の花と黄色い橘の木は、開運アイテム。ひな壇は上を北と考えますから、右側に置かれる桃の花は東~東南、左側に置かれる橘の木は西~南西にあたります。つまり、「西に黄色で金運アップ、東南にピンクで恋愛運アップ」の風水が行われています。ひな祭りは女の子のための行事ですから、金運と良縁が授かるように知恵が凝らされているのですね。


 夏の行事(立夏~立秋) 

 衣替え

ゴールデンウィークが終わるころ、暦の上では立夏を迎え、風水では夏のはじまりとなります。

そんな時期にいつまでも冬服を着ていたのでは、運のタイミングが悪くなり、幸運を手に入れることができにくくなります。できれば、その年の立夏(5月6日ころ)のタイミングで衣替えをしましょう。

衣替えは日本特有の風習だということをご存知ですか?そもそも衣替えは、平安時代の宮中行事でした。旧暦の4月1日と10月1日に、それぞれ夏服と冬服を入れ替えることが定められたのです。考えてみれば、たしかに四季がはっきりしている日本だから通用するしきたりかもしれませんね。

開運アクション

自宅で洗える衣類は、きれいに洗濯して干し、太陽の光を浴びせるといいでしょう。コートやジャケットなどはきちんとクリーニングをしてから、きれいに掃除をしたクローゼットにしまいましょう。長いあいだ外で着ていた衣類には、厄がついています。

 夏越しの大祓え

6月と12月のみそか(30日)に、半年間の罪や穢れを祓い清める大祓が行われます。6月30日に主な神社で行われる大祓は、「夏越しの大祓」(名越しの大祓)といわれます。夏を迎えるための準備と、年明けから半年間で身に付いた厄を祓うための行事です。「なごし」とは、神慮(神のおぼしめし)を和らげるという意味の「和し(なごし)」が由来だとされています。茅(かや)でつくった輪をくぐったり、穢れを人形に託してそれを水に流す行事です。

風水的効果

夏越しの大祓は人の和の大切さを教えてくれる神事でもあります。6月は直感力を働かせ、才能を開花させる大切な月ですから、参加したことがない方は出かけてみるのをおすすめします。


 秋の行事(立秋~立冬) 

 秋祭り

秋祭りは、秋の収穫物を神様に供えて、農作業を見守ってくれたことを感謝するお祭りです。しかし、それだけではなく、1年間ご苦労をかけた神様の魂を神界に送り、新たにこの世に生み出される神様を敬うための行事でもあります。

お神輿や山車を繰り出すのは、その上に乗っている神様に町内をひと通り見ていただくため。

風水的効果

さらに、「ワッショイ!ワッショイ!」の掛け声に合わせてかついだお神輿を揺らし、人々に挟まれてもみくちゃになくることは、人の魂を揺さぶってリフレッシュさせる効果もあります。イヤなことはすべて振り落としてくれるので、仕事や恋などで行き詰まっている人は、地元の秋祭りに参加しましょう


 冬の行事(立冬~立春) 

 大晦日

12月31日の大晦日は1年の収支をする日です。旧暦では、毎月の最終日のことを「晦日(みそか)」といいました。漢字では「三十日」と書きます。それが転じて、1年の終わりの日だけを「大晦日」と呼ぶようになりました。

大晦日は1年の収支をする日ですので、お金があれば、その年にいくら使い、いくら貯金できたかを確かめるようにしましょう。また、人間関係であれば1年の交遊を振り返りましょう。その年に亡くなった人やお世話になった人などを、手帳や日記を見てもう1度思い出すのです。すごくお世話になった人に年末の挨拶を忘れているようでは大変ですから、それに気づいたら電話をして、「本年はありがとうございました」とお礼をして感謝を述べましょう。

除夜の鐘の意味

大晦日といえば、忘れてはならないのが除夜の鐘です。除夜の鐘を108回打つのは、人が持つ108つの煩悩を取り払うため、というのが一般的な説です。煩悩は悩みやストレスの種になるものですから、除夜の鐘の音を聞くことは、その年最後の厄落としなのです。1年間受けた厄をすべて落としきる気持ちで、鐘の音を聞き入るようにしましょう。ちなみに最後の1回は、「との年の煩悩に煩わされないように」という意味から、新年になってから打つという決まりがあるので、最後まで聞き終えてから新年の挨拶をすることです。

 初詣

新年になって初めにすることといえば、初詣ですよね。

初詣は、もともとは「年篭り(としこもり)」と呼ばれ、大晦日の夜から神社にこもって夜通しお参りするものでした。ですが明治中期ごろから、一晩明かす人はだんだん少なくなっていったそうです。現在では、元日に神社を訪れるのが一般的ですよね。

初詣には、ぜひ地元の氏神様を訪れるようにしましょう。氏神様のもとに地元の人々が足を運ぶことによって、神様の力が大きくなり、その土地のパワーが上がります。

参拝をするときは、二拝で90度お辞儀をし、二拍手をして、心の中で願いごとやお礼、住所、氏名を簡潔に唱えてください。その後、90度一拝をします。昨年あったイヤなことはスッパリ忘れて、晴れやかな気持ちで新年の願い事をすれば、その年のフレッシュな運気をまとうことができますよ。

 おせち料理

「一年の計は元旦にあり」というように、おせち料理の品々には、その1年を幸運にすごすためのさまざまな意味が込められています。元旦では、縁起ものであるおせち料理が1番のラッキーフードになります。

おせち料理のいわれ

  • <栗きんとん>黄金色に輝く財宝にたとえられた食べ物で、風水でも金運アップフードだと考えられています。さつまいもの餡で栗を包み、丸い形に整えるとベストです。
  • <数の子>たくさんの卵を持つ数の子は、子孫繁栄を願うもの
  • <黒豆>「まめに働く」などというように、無病息災を願う。健康運アップ
  • <エビ>「腰が曲がるほど長生きするように」との願いと同時に、風水では才能運と人気運アップの食材です。
  • <伊達巻>形が巻物に似ており、文化の発展や学業成就を願う。金運アップ効果
  • <菊花かぶ>旬のかぶを菊の花に飾り切りしたおめでたい料理。出世運、家庭運アップ
  • <紅白かまぼこ>かまぼこは「日の出」の象徴で、元旦には必須の料理。仕事運、出世運アップ
  • <昆布巻き>「こぶ」は「喜ぶ」との語呂合わせから、不老長寿を願う。健康運アップ
  • <田づくり>もともとは、小魚を肥料に用いていたことから、五穀豊穣を願う食べ物として、この名前が付きました。風水では魔除けの効果があるとされています。

風水では、料理は丸く盛り付けるのが基本です。これは、素材が持つパワーを包み込んで逃げないようにするため。おせち料理も、できるだけ丸く仕上げ、こんもりと山盛りに盛り付けるようにしましょう。また、お重に詰めるときには、左上と右下の対角線上に同じ料理を盛り付けるといいですよ。それによって、素材や料理の持つ運気の流れがスムーズになり、おせち料理を食べることで得られるパワーが倍増します。

 節分の豆まき

2月3日ごろは節分です。節分といえば、「鬼は外、福は内」の豆まき。このセリフ、実は風水の理にかなっているのです。「幸運は外から入ってくるものであり、不幸は家の中にたまりやすいもの」と風水では考えるからです。

節分は文字通り、「季節を分ける」という意味で、本来は、立春・立夏・立秋・立冬それぞれの前日を指す、1年に4回あるものでした。しかし、立春は1年のはじまりを表すとくに尊い日だという考えが広まり、しだいに節分といえば立春の前日を指すようなりました。

豆まきの由来

豆まきは、「除災招福(じょさいしょうふく)」といい、もともとは邪悪をもたらす鬼を追い払って、幸福だけをわが家にもたらしたいという願いからはじまったといわれています。昔、京都の鞍馬に鬼が出たとき、毘沙門天のお告げによって豆を鬼の目に投げたところ、鬼を退治できたという言い伝えがあります。「魔目(まめ)」(鬼の目)に、豆を投げつけて、「魔滅(まめ)」(鬼を滅すること)ができたとは面白い話ですね。

大豆を炒った豆を一升ますに入れて、家の外に向かって「鬼は外」を2回、家の中に向かって「福は内」を3回いいながら豆を投げるのはみなさんご存じたと思います。これは「厄は家や体の外へ、幸せは家の中へ」という意味なのです。

豆をまくのは、年男か年女がいいですね。福を呼んでくれるからです。厄を祓ってくれた人には、豆まきが終わったら「ごくろう様」とねぎらい、ご祝儀を出しましょう。独り住まいの場合は、自分宛てにご祝儀を用意しておいてください。


 風水関連記事